Nature ハイライト
構造生物学:A型インフルエンザウイルスポリメラーゼの完全構造
Nature 516, 7531
今週号には、PAとPB1、PB2というサブユニットからなる完全な形のインフルエンザウイルスポリメラーゼの結晶構造に関するS Cusackたちの2報の論文が掲載されている。構造は、ポリメラーゼがウイルスRNAプロモーターに結合した状態で解かれている。1報目の論文では、コウモリ特異的に感染するA型インフルエンザウイルス由来のポリメラーゼの構造が報告されている。このウイルスは、進化的にはヒトや鳥のA型インフルエンザ株と近縁である。2報目の論文では、ヒトB型インフルエンザウイルス分離株由来のポリメラーゼの構造が示されている。これらの構造から、インフルエンザポリメラーゼがどのように機能するのかという問題や、多様なサブユニット間の相互作用の状況について多くの情報が得られる。
2014年12月18日号の Nature ハイライト
有機合成:さらに簡単にできる炭素–炭素結合
生化学:神経疾患へのAUTS2の関与
構造生物学:A型インフルエンザウイルスポリメラーゼの完全構造
宇宙物理学:星団は同い年
材料科学:マルチフェロイック性を2段階で使う
生態:国境なき保全を
感染症:乾季の蚊はどこへ?
免疫学:抗インフルエンザ抗体の作出法
がん:遺伝子編集で肺がんの機構が明らかに
細胞:真核生物ゲノムの折りたたみ