Nature ハイライト

細胞:真核生物ゲノムの折りたたみ

Nature 516, 7531

哺乳類とショウジョウバエのゲノムは、メガ塩基程度の大きさのトポロジカル関連ドメイン(TAD)に分かれており、その境界領域にはコヒーシンとCCCTC結合因子(CTCF)が豊富に存在する。今回S Grewalたちは、Hi-C解析を行って、高等真核生物の持つ特徴や仕組みを保存している分裂酵母(Schizosaccharomyces pombe)の三次元ゲノム構造を調べ、酵母にもTAD類似構造があることを初めて明らかにした。さらに、染色体の腕の部分に、局所的にクロマチンが相互作用しているより狭い領域を見つけ、これを「小球(globule)」と名付けた。この小球の形成にはコヒーシンが必要だが、ヘテロクロマチンは必要ではない。一方、ヘテロクロマチンは、セントロメアやテロメアといった、ゲノムのもっと別の構造に関して補足的な役割を担っているらしい。

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