Nature ハイライト
細胞:真核生物ゲノムの折りたたみ
Nature 516, 7531
哺乳類とショウジョウバエのゲノムは、メガ塩基程度の大きさのトポロジカル関連ドメイン(TAD)に分かれており、その境界領域にはコヒーシンとCCCTC結合因子(CTCF)が豊富に存在する。今回S Grewalたちは、Hi-C解析を行って、高等真核生物の持つ特徴や仕組みを保存している分裂酵母(Schizosaccharomyces pombe)の三次元ゲノム構造を調べ、酵母にもTAD類似構造があることを初めて明らかにした。さらに、染色体の腕の部分に、局所的にクロマチンが相互作用しているより狭い領域を見つけ、これを「小球(globule)」と名付けた。この小球の形成にはコヒーシンが必要だが、ヘテロクロマチンは必要ではない。一方、ヘテロクロマチンは、セントロメアやテロメアといった、ゲノムのもっと別の構造に関して補足的な役割を担っているらしい。
2014年12月18日号の Nature ハイライト
有機合成:さらに簡単にできる炭素–炭素結合
生化学:神経疾患へのAUTS2の関与
構造生物学:A型インフルエンザウイルスポリメラーゼの完全構造
宇宙物理学:星団は同い年
材料科学:マルチフェロイック性を2段階で使う
生態:国境なき保全を
感染症:乾季の蚊はどこへ?
免疫学:抗インフルエンザ抗体の作出法
がん:遺伝子編集で肺がんの機構が明らかに
細胞:真核生物ゲノムの折りたたみ