Nature ハイライト
材料科学:マルチフェロイック性を2段階で使う
Nature 516, 7531
マルチフェロイック材料の魅力は、電場を使ってその磁気特性を制御できることである。しかし、実用化に関しては問題がある。熱力学の議論から、技術的に最も望ましい形の磁化スイッチング、すなわち完全な180°反転は禁止されるとされているのだ。今回、J Heronたちは理論と実験により、根本的なように見えるこの障害はスイッチング過程の動力学を考慮すれば解決できることを示している。具体的には、部分的なスイッチング事象を2段階に分けて連続して使えば、完全な磁化反転を電気的に誘起できることを実証したのである。この結果は、磁気電気スイッチングを操作して、技術的に有用な、ナノメートルスケールの低エネルギー消費、不揮発性の磁気エレクトロニクスを実現する方法を示唆している。
2014年12月18日号の Nature ハイライト
有機合成:さらに簡単にできる炭素–炭素結合
生化学:神経疾患へのAUTS2の関与
構造生物学:A型インフルエンザウイルスポリメラーゼの完全構造
宇宙物理学:星団は同い年
材料科学:マルチフェロイック性を2段階で使う
生態:国境なき保全を
感染症:乾季の蚊はどこへ?
免疫学:抗インフルエンザ抗体の作出法
がん:遺伝子編集で肺がんの機構が明らかに
細胞:真核生物ゲノムの折りたたみ