Nature ハイライト
感染症:乾季の蚊はどこへ?
Nature 516, 7531
アフリカのサヘル地域では、マラリアを媒介する蚊は乾季に姿を消すが、雨が降ると突如として出現する。1年の半分を占める乾季にこれらの蚊がどんな行動を取っているのかは、長いこと謎であった。今回T Lehmannたちは、蚊の密度を丸5年にわたって調べ、主要な3種のマラリア媒介蚊の個体群動態に存在する季節的パターンを明らかにし、それらを用いて乾季の行動を推定した。2種(Anopheles arabiensisとA. gambiae s.s.)の動態は長距離移動と整合し、もう1種(A. coluzzii)の動態は乾季の成体の休眠(夏眠)と整合している。これらの自然史的な知見は、依然として大きな公衆衛生上の課題となっているマラリア対策を根本から改善するための機会をもたらす。
2014年12月18日号の Nature ハイライト
有機合成:さらに簡単にできる炭素–炭素結合
生化学:神経疾患へのAUTS2の関与
構造生物学:A型インフルエンザウイルスポリメラーゼの完全構造
宇宙物理学:星団は同い年
材料科学:マルチフェロイック性を2段階で使う
生態:国境なき保全を
感染症:乾季の蚊はどこへ?
免疫学:抗インフルエンザ抗体の作出法
がん:遺伝子編集で肺がんの機構が明らかに
細胞:真核生物ゲノムの折りたたみ