Nature ハイライト
Cover Story:頭頸部がんのゲノミクス:広く見られ致死性の高いがんの詳細な特徴付け
Nature 517, 7536
表紙は、ノルウェーの芸術家Espen Klugeによる『Perception - 多数の糸から造り出された顔』と名付けられた作品である。頭頸部扁平上皮がん(HNSCC)は、最もよく見られる致死的ながんの1つである。このがんは、当初は外科手術、放射線照射や化学療法を併用する治療が有効だが、通常は最初の診断から2年以内にほぼ半分の腫瘍が再発する。これまでのところ、この疾患の分子マーカーも標的治療もほとんど役に立っていない。今回、がんゲノムアトラス研究チームが遺伝的変化について詳細なゲノム全体像を明らかにし、HNSCCで生物学的および臨床的に重要と思われる遺伝学的事象を、ヒトパピローマウイルス(HPV)の状態の違いと共に明らかにした。変異プロファイルから、HNSCCに異なる複数のサブグループがあることが明らかになった。EGFR、FGFR、PIK3CAおよびサイクリン依存性キナーゼの変異は、HNSCCの大部分で治療的介入の標的候補となる。
2015年1月29日号の Nature ハイライト
気候科学:地球温暖化が停滞している期間の気候モデル
植物科学:シロイヌナズナでの二次細胞壁合成
分子生物学:CRISPR-Cas9を遺伝子発現の調節に使う
天文学:低温星の年齢測定
量子物理学:ローレンツ対称性の新しい検証
ゲノミクス:ヒトゲノムの大規模塩基配列解読
医学:結核性肉芽腫での血管新生
幹細胞:幹細胞による肺の再生
構造生物学:DNAメチルトランスフェラーゼの自己阻害と活性化