Nature ハイライト
医学:結核性肉芽腫での血管新生
Nature 517, 7536
結核菌感染は炎症を起こした組織からなる巣状病変を伴うことが多く、これは結核性肉芽腫として知られている。今回、ゼブラフィッシュのMycobacterium marinum感染モデルで生体内画像化法を用い、肉芽腫形成が低酸素状態および血管新生誘導性分子であるVEGFの誘導と同時発生することが示された。VEGF経路を薬理学的に阻害してやると肉芽組織での血管新生が防止され、感染負荷が低減する。また抗血管新生療法は抗結核治療と相乗的に作用するので、抗生物質耐性が生じた場合には従来の治療に替わる選択肢となると考えられる。
2015年1月29日号の Nature ハイライト
気候科学:地球温暖化が停滞している期間の気候モデル
植物科学:シロイヌナズナでの二次細胞壁合成
分子生物学:CRISPR-Cas9を遺伝子発現の調節に使う
天文学:低温星の年齢測定
量子物理学:ローレンツ対称性の新しい検証
ゲノミクス:ヒトゲノムの大規模塩基配列解読
医学:結核性肉芽腫での血管新生
幹細胞:幹細胞による肺の再生
構造生物学:DNAメチルトランスフェラーゼの自己阻害と活性化