Nature ハイライト
ゲノミクス:ヒトゲノムの大規模塩基配列解読
Nature 517, 7536
ヒトゲノムの塩基配列解読は完了したと考えられているが、ユークロマチンにはまだ160か所以上ものギャップ(未解読領域)が残っており、また、その構造多様性の多くの側面もほとんど解明されていない。今回、E Eichlerたちは、単一分子のリアルタイムDNA塩基配列解読法を使って、半数体ヒトゲノム(CHM1)の塩基配列を解読し解析することで、ユークロマチンに残っていたギャップの半数以上を埋めるか、もしくはその範囲を狭めた。また、多数のユークロマチン構造多様体の塩基配列が塩基対レベルで完全に解明され、これまで知られていなかったものを含む、逆位や複雑な挿入、長く続く縦列反復配列の存在が明らかになった。この長い距離を読み取る塩基配列解読技術によって、より長く複雑な反復配列DNAの多様性に起因するヒトゲノムの複雑性の大規模な解明が可能になる。
2015年1月29日号の Nature ハイライト
気候科学:地球温暖化が停滞している期間の気候モデル
植物科学:シロイヌナズナでの二次細胞壁合成
分子生物学:CRISPR-Cas9を遺伝子発現の調節に使う
天文学:低温星の年齢測定
量子物理学:ローレンツ対称性の新しい検証
ゲノミクス:ヒトゲノムの大規模塩基配列解読
医学:結核性肉芽腫での血管新生
幹細胞:幹細胞による肺の再生
構造生物学:DNAメチルトランスフェラーゼの自己阻害と活性化