Nature ハイライト
生物物理学:DNAの動的構造を可視化
Nature 519, 7543
DNAについては、水素結合が形成された状態の構造が使われることが普通だが、これは静止状態に当たるもので、この分子の実際の動態を表していない。実際には、DNAは核酸塩基の過渡的な変化状態を次々と反映していくので、定量化や可視化が難しい。H Al-Hashimiたちは、このようなごく短時間だけ現れる形態の特徴をNMR法を用いて調べた。データから、このような形態は複製や翻訳の信頼性に影響を及ぼすのに十分なレベルで存在することが示された。特に、DNAやRNAの二本鎖中に存在する非典型的なdG•dTやrG•rUのような「ゆらぎ」誤対合は、互変異性で陰イオン性のまれな塩基により安定化されて、通常のワトソン・クリック型の誤対合へと一時的に変わることが見いだされた。
2015年3月19日号の Nature ハイライト
化学:金属有機構造体での効率の良いCO2吸着
生物物理学:DNAの動的構造を可視化
構造生物学:複製開始複合体ORCの構造
宇宙物理学:星形成が起こっている初期銀河の観測
宇宙物理学:局部銀河における効率の良い星形成
有機化学:メタ位選択的C–H結合の活性化
実験進化学:進化は倍数性によって加速する
神経科学:温度の脳内表現
微生物学:細胞の形態を決定するタンパク質の進化
がん:抗腫瘍免疫療法のための新戦略