Nature ハイライト
有機化学:メタ位選択的C–H結合の活性化
Nature 519, 7543
今回、C–H結合の官能基化を目的として、離れたメタ位C–H結合を選択的に活性化するまた別の新しい手法が報告されている。この方法は、複雑なテンプレートを共有結合で付加する必要がないという点で、最近開発されたU字形テンプレートを用いるプロトコルよりも優れている。著者たちは、過渡的メディエーターとしてノルボルネンを用いて、単純で汎用的なオルト配向基によるメタ位選択的C–H結合の活性化を実現した。最初のオルト位C–H結合の活性化後、ノルボルネンによってパラジウム触媒をメタ位につなげるために、新たに開発されたピリジン系配位子が極めて重要な役割を果たしている。今回の成果は、製薬業界で応用される可能性のある新たなアレーン合成法を提示するものである。
2015年3月19日号の Nature ハイライト
化学:金属有機構造体での効率の良いCO2吸着
生物物理学:DNAの動的構造を可視化
構造生物学:複製開始複合体ORCの構造
宇宙物理学:星形成が起こっている初期銀河の観測
宇宙物理学:局部銀河における効率の良い星形成
有機化学:メタ位選択的C–H結合の活性化
実験進化学:進化は倍数性によって加速する
神経科学:温度の脳内表現
微生物学:細胞の形態を決定するタンパク質の進化
がん:抗腫瘍免疫療法のための新戦略