Nature ハイライト
がん:抗腫瘍免疫療法のための新戦略
Nature 519, 7543
膠芽腫患者での小規模臨床試験で、樹状細胞ワクチンに対する免疫応答および抗腫瘍応答が、破傷風ジフテリア(Td)トキソイドを用いたワクチン接種部位の前処置によって増加したことを、J Sampsonたちが報告している。マウスでの実験でも同様の効果が見られていて、Tdでの前処置によって樹状細胞の腫瘍への遊走が増強され、その一因がサイトカインCCL3の作用であることが実証された。報告された臨床試験は小規模なものだが、これらの知見は抗がんワクチンの有効性改善につながる新たな道を開くと考えられる。
2015年3月19日号の Nature ハイライト
化学:金属有機構造体での効率の良いCO2吸着
生物物理学:DNAの動的構造を可視化
構造生物学:複製開始複合体ORCの構造
宇宙物理学:星形成が起こっている初期銀河の観測
宇宙物理学:局部銀河における効率の良い星形成
有機化学:メタ位選択的C–H結合の活性化
実験進化学:進化は倍数性によって加速する
神経科学:温度の脳内表現
微生物学:細胞の形態を決定するタンパク質の進化
がん:抗腫瘍免疫療法のための新戦略