Nature ハイライト
構造生物学:複製開始複合体ORCの構造
Nature 519, 7543
真核生物は、6個のサブユニットからなるDNA結合複合体である複製起点認識複合体(ORC)を用いて、DNA複製を開始する。J Bergerたちは、270 kDaのこの複合体の構造を3.5 Å分解能で解いた。ORCの輪状構造には切れ目があるために、二本鎖DNAを取り囲むことができるらしく、ミニクロモソーム維持2–7(MCM2–7)ヘリカーゼ複合体と結合するドメイン面が明らかになった。Orc1サブユニットが占める位置から、このサブユニットが複合体の自己阻害状態を調節し、細胞周期や発生の合図に応じて複製を開始する仕組みと考えられるものが示された。
2015年3月19日号の Nature ハイライト
化学:金属有機構造体での効率の良いCO2吸着
生物物理学:DNAの動的構造を可視化
構造生物学:複製開始複合体ORCの構造
宇宙物理学:星形成が起こっている初期銀河の観測
宇宙物理学:局部銀河における効率の良い星形成
有機化学:メタ位選択的C–H結合の活性化
実験進化学:進化は倍数性によって加速する
神経科学:温度の脳内表現
微生物学:細胞の形態を決定するタンパク質の進化
がん:抗腫瘍免疫療法のための新戦略