Nature ハイライト
実験進化学:進化は倍数性によって加速する
Nature 519, 7543
倍数化とは、染色体の数が通常の染色体数または半数体数の2倍より多くなる現象で、菌類、植物、動物に共通して見られるが、それが進化に与える影響は不明である。今回、酵母の無性生殖株の半数体、二倍体、四倍体を用いて進化の卓上実験が行われ、炭素源の乏しい環境での増殖への適応は倍数性によって加速されることがあり、中でも四倍体の適応が最も速いことが明らかになった。このような急速な進化は、有益な変異が次々に獲得されていくことによって駆動される。倍数性は不安定な場合があるものの、このような状況では、異数性、協調的染色体消失、点変異の全てが、適応度の大幅な上昇につながる。
2015年3月19日号の Nature ハイライト
化学:金属有機構造体での効率の良いCO2吸着
生物物理学:DNAの動的構造を可視化
構造生物学:複製開始複合体ORCの構造
宇宙物理学:星形成が起こっている初期銀河の観測
宇宙物理学:局部銀河における効率の良い星形成
有機化学:メタ位選択的C–H結合の活性化
実験進化学:進化は倍数性によって加速する
神経科学:温度の脳内表現
微生物学:細胞の形態を決定するタンパク質の進化
がん:抗腫瘍免疫療法のための新戦略