Nature ハイライト
Cover Story:暗闇で見る:核磁気共鳴を使って光の届かない場所を調べる形状変化型ナノセンサー
Nature 520, 7545
表紙は、核磁気共鳴(NMR)によって読み取り可能なナノセンサーを描いたイラストで、このセンサーは2枚の円盤状磁性体で膨潤性ヒドロゲルを挟んだものである。蛍光やプラズモンを用いるプローブは生命科学の分野でかなりの成功を収めているが、入射光が多数の生体組織を通過しなければならないような、光が届かない場所では、うまく機能しない。今回G Zabowたちは、これに代わる生体適合性プローブとして、光学技術を使っている蛍光センサーやプラズモニックセンサーのラジオ周波数版として機能するものを開発した。このセンサーは、局所環境のpH変化などの刺激に応答して迅速に変形する磁性ナノ集合体であり、フェムトモルレベルの変化まで検出可能である。形状変化はNMRスペクトルのシフトに変換され、感度は従来の磁気共鳴分光法の100万倍近くになることが可能と考えられる。
2015年4月2日号の Nature ハイライト
生態学:土地利用の変化が生物多様性の喪失に結び付く
神経科学:自閉症はδカテニンの機能喪失と関連する
がん:p53による腫瘍抑制の新機構
惑星科学:惑星の親星方向への移動を妨げる仕組み
量子物理学:ホン–オウ–マンデル実験におけるヘリウム4
光化学:溶液中の遷移金属錯体のダイナミクス
古生物学:有顎脊椎動物の起源を探る
植物科学:miRNAの前駆体は調節性ペプチドをコードしている
免疫学:皮膚の細菌と免疫系の間の相互作用
構造生物学:広範な活性を持つ抗デングウイルス抗体の構造