Nature ハイライト
惑星科学:惑星の親星方向への移動を妨げる仕組み
Nature 520, 7545
地球質量の約5倍よりも軽い原始惑星は、親星方向に急速に移動するため、太陽と地球の距離より遠い軌道を周回する巨大惑星になるのは極めてまれであることが、惑星形成論から予測されている。しかし、我々の太陽系同様、系外惑星系でも、巨大惑星が親星から遠く離れた軌道に存在することが観測されている。今回、P Benítez-Llambayたちは、惑星に落下する物質の集積に伴う温度上昇の非対称性が加熱トルクという、親星方向への移動を止める力を生み出すことを見いだした。そして、これが遠く離れた軌道を巡る巨大惑星形成への道筋となるという機構を提案している。
2015年4月2日号の Nature ハイライト
生態学:土地利用の変化が生物多様性の喪失に結び付く
神経科学:自閉症はδカテニンの機能喪失と関連する
がん:p53による腫瘍抑制の新機構
惑星科学:惑星の親星方向への移動を妨げる仕組み
量子物理学:ホン–オウ–マンデル実験におけるヘリウム4
光化学:溶液中の遷移金属錯体のダイナミクス
古生物学:有顎脊椎動物の起源を探る
植物科学:miRNAの前駆体は調節性ペプチドをコードしている
免疫学:皮膚の細菌と免疫系の間の相互作用
構造生物学:広範な活性を持つ抗デングウイルス抗体の構造