Nature ハイライト
古生物学:有顎脊椎動物の起源を探る
Nature 520, 7545
有顎脊椎動物(顎口類)の初期進化は、古生物学のホットな話題の1つである。今回M Brazeauたちは、1992年にHans-Peter Schultzeが初期の硬骨魚類として記載した、シベリア産の前期デボン紀(約4億1500万年前)の顎口類化石の脳頭蓋および頭蓋冠について、コンピューター断層撮影法を使い再分析した。その結果、その化石の基盤である脳頭蓋には、硬骨魚類および軟骨魚類のそれぞれの特徴と、どちらにもない特徴が混在することが明らかになった。系統発生解析で、この魚類が顎口類の基部に位置付けられ、謎の多い棘魚類(完全に絶滅した化石魚類群)が軟骨魚類に近縁であったことが示唆された。
2015年4月2日号の Nature ハイライト
生態学:土地利用の変化が生物多様性の喪失に結び付く
神経科学:自閉症はδカテニンの機能喪失と関連する
がん:p53による腫瘍抑制の新機構
惑星科学:惑星の親星方向への移動を妨げる仕組み
量子物理学:ホン–オウ–マンデル実験におけるヘリウム4
光化学:溶液中の遷移金属錯体のダイナミクス
古生物学:有顎脊椎動物の起源を探る
植物科学:miRNAの前駆体は調節性ペプチドをコードしている
免疫学:皮膚の細菌と免疫系の間の相互作用
構造生物学:広範な活性を持つ抗デングウイルス抗体の構造