Nature ハイライト

生物工学:ゲノム編集に使える小さなCas9系酵素

Nature 520, 7546

RNA誘導型のエンドヌクレアーゼであるCas9は、ゲノム編集に適したツールとして広く使われている。しかし、一般的に用いられている化膿性連鎖球菌(Streptococcus pyogenes)のCas9(SpCas9)は物理的にサイズが大きく、このことが、送達担体としてアデノ随伴ウイルス(AVV)を用いる際に障害となっている。今回F Zhangたちは、SpCas9より小さいCas9オルソログ6種類の特性解析を行い、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)のCas9(SaCas9)がSpCas9と同程度の効率でゲノムを編集できることを見いだした。SaCas9とその単一ガイドRNAを含む発現カセットを単一のAAVベクターに組み込み、マウス肝臓のコレステロール調節遺伝子Pcsk9を標的としたところ、ベクター注入から1週間以内に40%を超える遺伝子改変が観察され、血清中のPcsk9値や総コレステロール値の大幅な低下が見られた。

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