Nature ハイライト
分子生物学:Paf1は遺伝子サイレンシングを妨げる
Nature 520, 7546
内在性の低分子RNAは、酵母や植物をはじめとする真核生物の反復配列において、サイレンシングされたクロマチン形成を促すことが知られているが、人工的な低分子RNAにより、de novoのヘテロクロマチン形成を引き起こすことは難しい。今回、M Bühlerたちは、分裂酵母には、低分子RNAによるヘテロクロマチン形成や遺伝子サイレンシングを妨げる機構があることを明らかにした。この機構が、間違った転写産物による望ましくないサイレンシングからタンパク質コード遺伝子を保護しているのではないかと考えられる。この保護機構には、転写伸長やmRNAのプロセシングを促すことが知られているPaf1タンパク質複合体(Paf1C)が関与している。Paf1C変異体で確立されたこのRNAを介した遺伝子サイレンシングは、複数回の細胞分裂を通して、エピジェネティックに維持され得る。
2015年4月9日号の Nature ハイライト
神経科学:新旧の記憶が共存する機序
生物工学:ゲノム編集に使える小さなCas9系酵素
代謝:血管新生の炭素源となる脂肪酸
宇宙物理学:原始惑星系円盤内の複雑な有機物
惑星科学:土星の自転周期を見直す
惑星科学:月と地球の類似性は衝突体の組成によって説明できる
人類学:レバントはヨーロッパへの架け橋
神経科学:意思決定の神経的関連
神経科学:脳の発生を変化させる遺伝的バリアント
健康科学:心疾患のリスクと母親の年齢
分子生物学:Paf1は遺伝子サイレンシングを妨げる