Nature ハイライト
人類学:レバントはヨーロッパへの架け橋
Nature 520, 7546
イスラエル北部で見つかった約5万5000年前の部分的頭蓋骨は、アフリカを出た解剖学的現生人類が世界各地に広がって他の全てのヒト族に取って代わるという、極めて重要だがまだほとんど分かっていない先史時代の出来事を解明する手掛かりとなる。この「Manot 1」と呼ばれる頭蓋骨標本の形状は、後期旧石器時代のヨーロッパ人やそれより新しい時代のアフリカ人の頭蓋骨と似ているが、レバント地方で出土した他の解剖学的現生人類のものとは異なっている。こうした知見から、Manot 1はヨーロッパに定着した人類集団を代表するものであり、同一の限られた地理的領域内にネアンデルタール人と共存していたことが明らかになっている最初の解剖学的現生人類であることが示唆される。
2015年4月9日号の Nature ハイライト
神経科学:新旧の記憶が共存する機序
生物工学:ゲノム編集に使える小さなCas9系酵素
代謝:血管新生の炭素源となる脂肪酸
宇宙物理学:原始惑星系円盤内の複雑な有機物
惑星科学:土星の自転周期を見直す
惑星科学:月と地球の類似性は衝突体の組成によって説明できる
人類学:レバントはヨーロッパへの架け橋
神経科学:意思決定の神経的関連
神経科学:脳の発生を変化させる遺伝的バリアント
健康科学:心疾患のリスクと母親の年齢
分子生物学:Paf1は遺伝子サイレンシングを妨げる