Nature ハイライト
惑星科学:月と地球の類似性は衝突体の組成によって説明できる
Nature 520, 7546
月は、原始地球に衝突した巨大な天体の内部の物質から主に形成されたと考えられているので、太陽系の他の天体の組成が異なっていることを考えると、月と地球の組成が非常に似ていることは奇妙なように思われる。今回A Mastrobuono-Battistiたちは、惑星集積の一連のシミュレーションにおいて、成長する惑星の供給領域を追跡した。その結果、同じシミュレーションで形成されたさまざまな惑星の組成はそれぞれ異なるが、巨大な衝突天体の組成は衝突された惑星の組成との類似性が高いことが分かった。対をなす惑星と衝突天体の大部分で、組成は実質的に同じであった。著者たちは、地球と月の組成が似ていることは、後期に起こった巨大衝突から生じた当然の結果なのだろうと結論している。
2015年4月9日号の Nature ハイライト
神経科学:新旧の記憶が共存する機序
生物工学:ゲノム編集に使える小さなCas9系酵素
代謝:血管新生の炭素源となる脂肪酸
宇宙物理学:原始惑星系円盤内の複雑な有機物
惑星科学:土星の自転周期を見直す
惑星科学:月と地球の類似性は衝突体の組成によって説明できる
人類学:レバントはヨーロッパへの架け橋
神経科学:意思決定の神経的関連
神経科学:脳の発生を変化させる遺伝的バリアント
健康科学:心疾患のリスクと母親の年齢
分子生物学:Paf1は遺伝子サイレンシングを妨げる