Nature ハイライト

惑星科学:月と地球の類似性は衝突体の組成によって説明できる

Nature 520, 7546

組成の似た2つの天体が衝突して月を形成する様子を描いたイメージ画像。
組成の似た2つの天体が衝突して月を形成する様子を描いたイメージ画像。 | 拡大する

Credit: Hagai Perets

月は、原始地球に衝突した巨大な天体の内部の物質から主に形成されたと考えられているので、太陽系の他の天体の組成が異なっていることを考えると、月と地球の組成が非常に似ていることは奇妙なように思われる。今回A Mastrobuono-Battistiたちは、惑星集積の一連のシミュレーションにおいて、成長する惑星の供給領域を追跡した。その結果、同じシミュレーションで形成されたさまざまな惑星の組成はそれぞれ異なるが、巨大な衝突天体の組成は衝突された惑星の組成との類似性が高いことが分かった。対をなす惑星と衝突天体の大部分で、組成は実質的に同じであった。著者たちは、地球と月の組成が似ていることは、後期に起こった巨大衝突から生じた当然の結果なのだろうと結論している。

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