Nature ハイライト
構造生物学:アディポネクチン受容体の構造
Nature 520, 7547
アディポネクチンは抗糖尿病分子である。肥満や2型糖尿病ではアディポネクチンの血漿中濃度が低下し、マウスではアディポネクチンを補充してやると耐糖能異常や脂質異常症が改善されることが報告されている。今回、横山茂之(理化学研究所および東京大学)たちはヒトのアディポネクチン受容体AdipoR1とAdipoR2について、それぞれ2.9 Åと2.4 Å分解能での結晶構造を報告している。これによって得られた構造情報と機能情報は、肥満関連疾患の治療に使うアディポネクチン受容体アゴニストの開発と最適化の助けとなるだろう。
2015年4月16日号の Nature ハイライト
構造生物学:アディポネクチン受容体の構造
構造生物学:ヒトP2Y1受容体の構造
電気化学:より優れたアルミニウムイオン電池
有機化学:フロー法を用いた精密化学品の合成
地球化学:水星をちょっと加えるだけ
生態学:魚を乱獲されたサンゴ礁の回復
人間行動学:情緒的な出来事により弱かった記憶が強められる
神経科学:喉の渇きを制御する神経回路
がんゲノミクス:腫瘍の転移に固有の複雑性
乳がん:血管をまねることで転移を促す
がん:低酸素が腫瘍細胞に有利に働く