Nature ハイライト
人間行動学:情緒的な出来事により弱かった記憶が強められる
Nature 520, 7547
動物での研究から、当初弱かった記憶痕跡も、その後、短時間たってから再活性化されると強化されることがあると長い間考えられてきた。この再活性化は、典型的には、元の記憶痕跡がその後の経験やトレーニングによって強化されるために起こる。しかし、同様の機構がヒトにも存在するかどうかを確かめた研究はほとんどない。今回E Phelpsたちは、ヒトで、当初弱かったエピソード記憶が、それと概念的に関連する情報を含む情緒的な学習を後に行うことで、その後、選択的に強化・固定化され得ることを明らかにした。この逆行的記憶強化は、最初は瑣末だった情報をその後に関連した経験をすることよって記憶できるようになるという機構を示唆している。
2015年4月16日号の Nature ハイライト
構造生物学:アディポネクチン受容体の構造
構造生物学:ヒトP2Y1受容体の構造
電気化学:より優れたアルミニウムイオン電池
有機化学:フロー法を用いた精密化学品の合成
地球化学:水星をちょっと加えるだけ
生態学:魚を乱獲されたサンゴ礁の回復
人間行動学:情緒的な出来事により弱かった記憶が強められる
神経科学:喉の渇きを制御する神経回路
がんゲノミクス:腫瘍の転移に固有の複雑性
乳がん:血管をまねることで転移を促す
がん:低酸素が腫瘍細胞に有利に働く