Nature ハイライト
生態学:魚を乱獲されたサンゴ礁の回復
Nature 520, 7547
世界のサンゴ礁の多くでは魚が乱獲されており、「サンゴ礁の危機」への解決策が広く求められている。今回、800を超すサンゴ礁の回復能を調べた研究で、漁獲が行われているサンゴ礁の83%では想定されるバイオマスの半分以上が失われており、重要な生態系機能への影響が深刻であることが明らかになった。漁獲から保護することで、魚類バイオマスは平均35年で十分に回復可能だが、最も劣化が進んだサンゴ礁では回復に59年を要すると見られる。著者たちは、劣化したサンゴ礁では、漁業規制と、海洋保護区が現実的でない海域での代替的な保全戦略とを組み合わせることで、極めて重要な生態系機能が維持され得ると結論付けている。
2015年4月16日号の Nature ハイライト
構造生物学:アディポネクチン受容体の構造
構造生物学:ヒトP2Y1受容体の構造
電気化学:より優れたアルミニウムイオン電池
有機化学:フロー法を用いた精密化学品の合成
地球化学:水星をちょっと加えるだけ
生態学:魚を乱獲されたサンゴ礁の回復
人間行動学:情緒的な出来事により弱かった記憶が強められる
神経科学:喉の渇きを制御する神経回路
がんゲノミクス:腫瘍の転移に固有の複雑性
乳がん:血管をまねることで転移を促す
がん:低酸素が腫瘍細胞に有利に働く