Nature ハイライト
地球化学:水星をちょっと加えるだけ
Nature 520, 7547
A WohlersとB Woodは、硫黄に富み、水星に似た還元的な物質を初期地球に加えれば、サマリウム(Sm)/ネオジム(Nd)比がコンドライトよりも大きくなり、地球マントルで観測されている142Nd/144Nd比異常が生じ得ることを、高圧実験を用いて示した。この結果は、地球深部のマントルの「隠れた」ケイ酸塩貯蔵庫や、初期に形成された地球地殻の衝突アブレーションによる消失を仮定しなくても、こうしたことが起こり得るのを意味している。そして、硫黄に富んだ核はより多くのウランとトリウムを保持できたと考えられ、地球ダイナモを動かす熱源のかなりの部分がここから供給された可能性がある。
2015年4月16日号の Nature ハイライト
構造生物学:アディポネクチン受容体の構造
構造生物学:ヒトP2Y1受容体の構造
電気化学:より優れたアルミニウムイオン電池
有機化学:フロー法を用いた精密化学品の合成
地球化学:水星をちょっと加えるだけ
生態学:魚を乱獲されたサンゴ礁の回復
人間行動学:情緒的な出来事により弱かった記憶が強められる
神経科学:喉の渇きを制御する神経回路
がんゲノミクス:腫瘍の転移に固有の複雑性
乳がん:血管をまねることで転移を促す
がん:低酸素が腫瘍細胞に有利に働く