Nature ハイライト

構造生物学:ヒトP2Y1受容体の構造

Nature 520, 7547

Gタンパク質共役受容体(GPCR)の1つであるヒトP2Y1受容体のX線結晶構造を、B Wuたちが報告している。膜タンパク質であるこの受容体は、P2Y12受容体と同じく、血小板の活性化と血栓形成を調節している。この2つのGPCRはどちらも、新規な抗血栓薬を開発する際の標的として重要である。今回報告された構造と以前に報告されているP2Y12受容体の構造との比較から、これら2つのGPCRではオルソステリックリガンドの結合部位がかなり異なっていることが分かった。P2Y1受容体の結合部位の方が、P2Y12受容体の結合部位よりもずっと浅いのである。ヌクレオチドアンタゴニストであるMRS2500、また非ヌクレオチドアンタゴニストであるBPTUが存在する状態でのこのタンパク質の構造が解かれ、MRS2500はオルソステリック部位に結合するが、BPTUはGPCRと脂質二重層との接触面に位置する独特のポケットに結合することが示された。

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