Nature ハイライト
分子生物学:CRISPRによる外来DNAの認識
Nature 520, 7548
細菌の免疫系として知られるCRISPRは、侵入してくるファージゲノムやプラスミドに由来する「スペーサー」と呼ばれる短い塩基配列の獲得に依存している。このスペーサー獲得過程では宿主DNAの組み込みが回避されているが、宿主とファージのDNAを識別する仕組みは分かっていなかった。今回R Sorekたちは、スペーサーDNAの形成には複製依存的なDNA二本鎖切断が必要であることを明らかにした。宿主DNAにはカイ配列と呼ばれる8塩基配列がファージよりも高頻度で存在しており、これらの配列が、DNA二本鎖切断を修復する複合体RecBCDのヌクレアーゼ活性を減弱させることで、DNAの断片化を抑制している。それに加えて、ファージゲノムにはDNA切断が生じ得る複製フォークがより多数存在している。
2015年4月23日号の Nature ハイライト
社会行動学:オキシトシンと母性行動
分子生物学:CRISPRによる外来DNAの認識
構造生物学:多機能性TRPA1受容体の構造
天文学:大質量星形成の観測
オプトメカニクス:フォノンを1つずつ数える
地球化学:地球と月への後期集積
生態学:希少種が病害を受けるリスクが低い理由
植物科学:遺伝子操作で乾燥耐性を向上
免疫学:ミトコンドリアは自然免疫を始動させる
構造生物学:ヒドロゲナーゼ中の水素原子を可視化