Nature ハイライト
植物科学:遺伝子操作で乾燥耐性を向上
Nature 520, 7548
植物は水分の不足に応答して、植物ホルモンであるアブシジン酸(ABA)の生産量を上昇させ、水分消費量を改善し、ストレス耐性を向上させている。今回S Cutlerたちは、標的遺伝子への変異誘発により改変したABA受容体を組み込むことで植物の水の消費量を制御する方法を報告している。この改変ABA受容体は既存の殺真菌剤であるマンジプロパミドによって活性化される。さらに、市販されているこの化合物を使い、遺伝子組換えのシロイヌナズナおよびトマトの実生でABA応答および乾燥耐性を制御することで、その活性基盤についての構造的な手掛かりが得られた。この戦略は植物の他の受容体にも適用可能であり、農作物の改良に新たな道が開かれるだろう。
2015年4月23日号の Nature ハイライト
社会行動学:オキシトシンと母性行動
分子生物学:CRISPRによる外来DNAの認識
構造生物学:多機能性TRPA1受容体の構造
天文学:大質量星形成の観測
オプトメカニクス:フォノンを1つずつ数える
地球化学:地球と月への後期集積
生態学:希少種が病害を受けるリスクが低い理由
植物科学:遺伝子操作で乾燥耐性を向上
免疫学:ミトコンドリアは自然免疫を始動させる
構造生物学:ヒドロゲナーゼ中の水素原子を可視化