Nature ハイライト
地球化学:地球と月への後期集積
Nature 520, 7548
月岩石内のタングステン(W)同位体組成の精密測定が、2つの研究グループから報告された。これらの測定結果は、地球と月の組成は月形成直後には似ていたが、この2つの天体への物質の後期集積が偏っていたために、その後になって差が生じたと考えればうまく説明できる。M Touboulたちは、アポロ16号の試料であるKREEPに富んだ2つの衝突溶融岩から抽出された金属では、182W量が現在の地球マントルよりわずかに(約21 ppm)多いことを見いだした。一方で、T Kruijerたちは、さまざまな宇宙線照射年代のKREEPに富んだ7つの岩石試料のW同位体について測定を行い、182Wが現在の地球マントルより約27 ppm多いことを示している。
2015年4月23日号の Nature ハイライト
社会行動学:オキシトシンと母性行動
分子生物学:CRISPRによる外来DNAの認識
構造生物学:多機能性TRPA1受容体の構造
天文学:大質量星形成の観測
オプトメカニクス:フォノンを1つずつ数える
地球化学:地球と月への後期集積
生態学:希少種が病害を受けるリスクが低い理由
植物科学:遺伝子操作で乾燥耐性を向上
免疫学:ミトコンドリアは自然免疫を始動させる
構造生物学:ヒドロゲナーゼ中の水素原子を可視化