Nature ハイライト
オプトメカニクス:フォノンを1つずつ数える
Nature 520, 7548
ナノスケールの機械共振器を使えば、さまざまな検出やセンシングで高い精度を得ることができる。このような系で、機械運動の量子である個々のフォノンを数えるのはこれまで不可能だったが、もしこれが可能になれば、量子情報スキームに新しい応用が開かれる可能性がある。今回O Painterたちは、光共振と機械共振を結合するようにパターン形成したシリコンのナノ梁を調べた。このデバイスを光ポンピングすると光子が放出され、それらはフォノンの数に直接対応していて、標準的な手法を使って検出される。この測定によって、ポンピングパワーのしきい値を超えると、レーザーに似たフォノン放出、すなわちナノ機械共振器の自続発振へ遷移することが明かにされた。この実験は室温で行われたが、低温へ拡張すれば、機械系の量子挙動を詳細に検証できる。
2015年4月23日号の Nature ハイライト
社会行動学:オキシトシンと母性行動
分子生物学:CRISPRによる外来DNAの認識
構造生物学:多機能性TRPA1受容体の構造
天文学:大質量星形成の観測
オプトメカニクス:フォノンを1つずつ数える
地球化学:地球と月への後期集積
生態学:希少種が病害を受けるリスクが低い理由
植物科学:遺伝子操作で乾燥耐性を向上
免疫学:ミトコンドリアは自然免疫を始動させる
構造生物学:ヒドロゲナーゼ中の水素原子を可視化