Nature ハイライト
宇宙物理学:銀河系の中心部の活動
Nature 520, 7549
銀河系の中心部の内側10パーセクの高エネルギーX線放射をNuSTAR X線宇宙望遠鏡で測定した結果、中心部の4 × 8パーセクの範囲内に、はっきり見分けられる硬X線成分が存在することが分かった。このX線放射は、銀河中心に向かうにつれて、軟X線を放射する天体集団の表面光度よりも急激に強くなっている。こうした放射を説明できるのは、大質量の降着白色矮星の集団、低質量のX線連星やミリ秒パルサーの大集団、「動的な」粒子のアウトフローなどである。これらの説明はそれぞれ、銀河系の中心部での星の進化、連星の形成、宇宙線発生に関する現行のモデルに大きな疑問を投げ掛けるものだ。
2015年4月30日号の Nature ハイライト
神経科学:ショウジョウバエ幼虫の多感覚回路
構造生物学:ヒトリボソームの詳細な構造
宇宙物理学:銀河系の中心部の活動
材料科学:ウエハースケールの半導体薄膜
古気候学:気候のシーソーは北から南へ揺れ動く
生物地球化学:窒素固定は早くから出現
植物科学:植物ウイルスに対する新しい防御機構
微生物学:アルテミシニン耐性の発生機序
がん:TP53を間接的な標的にする
免疫学:TLR9によるDNA認識