Nature ハイライト
生物地球化学:窒素固定は早くから出現
Nature 520, 7549
生物が大気中窒素の固定に使える酵素であるニトロゲナーゼの進化は、生命史において明らかに重要な一歩であったが、その時期についてはまだよく分かっていない。E Stüekenたちは今回、32億~27億5000万年前の海成および河成堆積岩に含まれる窒素の同位体比を明らかにした。得られた比率は生物的な窒素固定によって最もうまく説明され、その固定には補因子としてモリブデンが用いられた可能性が高い。このことは、窒素固定が遅くとも32億年前には行われていたことを示唆し、大酸化事変まで海洋にはモリブデンがほとんど存在しなかったとする従来の説を否定している。
2015年4月30日号の Nature ハイライト
神経科学:ショウジョウバエ幼虫の多感覚回路
構造生物学:ヒトリボソームの詳細な構造
宇宙物理学:銀河系の中心部の活動
材料科学:ウエハースケールの半導体薄膜
古気候学:気候のシーソーは北から南へ揺れ動く
生物地球化学:窒素固定は早くから出現
植物科学:植物ウイルスに対する新しい防御機構
微生物学:アルテミシニン耐性の発生機序
がん:TP53を間接的な標的にする
免疫学:TLR9によるDNA認識