Nature ハイライト
微生物学:アルテミシニン耐性の発生機序
Nature 520, 7549
アルテミシニン耐性の出現は、マラリアの治療と管理対策に対する世界的に重大な脅威である。アルテミシニンはさまざまな細胞因子と結び付けられているが、アルテミシニンと関係する生化学的標的、あるいは耐性の基盤となる機序について、見解は一致していない。今回K Haldarたちは、アルテミシニンがマラリア原虫のホスファチジルイノシトール 3-キナーゼ(PfPI3K)を標的として、ホスファチジルイノシトール 3-リン酸(PI3P)産生を阻害することを明らかにした。以前に耐性マーカーであることが明らかにされているPfKelch13の変異は、臨床で得られた原虫株と実験的に操作されたマラリア原虫の両方でPfPI3Kのレベルを上昇させる。今回の研究は、PfPI3Kがアルテミシニン耐性の重要なメディエーターであり、またマラリア根絶の標的でもあることを示している。
2015年4月30日号の Nature ハイライト
神経科学:ショウジョウバエ幼虫の多感覚回路
構造生物学:ヒトリボソームの詳細な構造
宇宙物理学:銀河系の中心部の活動
材料科学:ウエハースケールの半導体薄膜
古気候学:気候のシーソーは北から南へ揺れ動く
生物地球化学:窒素固定は早くから出現
植物科学:植物ウイルスに対する新しい防御機構
微生物学:アルテミシニン耐性の発生機序
がん:TP53を間接的な標的にする
免疫学:TLR9によるDNA認識