Nature ハイライト
免疫学:TLR9によるDNA認識
Nature 520, 7549
ヌクレオチドを感知するToll様受容体TLR9は、CpGモチーフを含む微生物由来のDNAを認識後、自然免疫応答を引き起こす。今回、清水敏之(東京大学)たちは、TLR9がこの免疫刺激性DNAを認識する正確な仕組みについて報告している。彼らは、リガンドが結合していないTLR9、免疫刺激性CpG-DNAが結合しているTLR9、阻害的に働くDNAが結合しているTLR9の3種の結晶構造を示し、これらを統合してTLR9活性化の分子基盤を明らかにした。これらの結果は、TLR9を標的とする抗ウイルス薬など他の治療薬の開発に役立つだろう。
2015年4月30日号の Nature ハイライト
神経科学:ショウジョウバエ幼虫の多感覚回路
構造生物学:ヒトリボソームの詳細な構造
宇宙物理学:銀河系の中心部の活動
材料科学:ウエハースケールの半導体薄膜
古気候学:気候のシーソーは北から南へ揺れ動く
生物地球化学:窒素固定は早くから出現
植物科学:植物ウイルスに対する新しい防御機構
微生物学:アルテミシニン耐性の発生機序
がん:TP53を間接的な標的にする
免疫学:TLR9によるDNA認識