Nature ハイライト
幹細胞:新たな幹細胞状態
Nature 521, 7552
マウスの多能性細胞として広く認知されている胚性幹細胞とエピブラスト幹細胞は、胚発生過程の異なる時点の胚に由来する。今回J Belmonteたちは、マウスのエピブラストから多能性幹細胞を樹立する際に用いる培養液中のシグナル伝達因子群を調節することで、既知のこれら2種類の幹細胞とは異なる特徴を持つ、もう1つの幹細胞状態の存在を明らかにした。これらの細胞は、マウスのエピブラストの特定領域に生着できるので、領域選択型多能性幹細胞(rsPSC)と名付けられた。マウスや霊長類の培養多能性幹細胞株からも、これと同様の特性を持つ細胞を得ることができた。rsPSCの研究によって、哺乳類の発生のさらなる解明が可能になるだろう。
2015年5月21日号の Nature ハイライト
幹細胞:新たな幹細胞状態
神経科学:ドーパミン輸送体の構造
天文学:3つのIa型超新星は白色矮星同士の合体によるものか?
量子力学:エンタングルした重ね合わせ状態の生成
材料科学:非ジュール磁気ひずみが観測された
進化遺伝学:転写のノイズが自然選択の対象になる
幹細胞:iPS細胞の潜在能力の有無を示す細胞マーカー
がん:過剰なBCRシグナル伝達の抗がん作用
エボラウイルス:現在のエボラ流行株に対する治療
分子生物学:昆虫および脊椎動物での段階的スプライシング