Nature ハイライト

神経科学:ドーパミン輸送体の構造

Nature 521, 7552

ドーパミン輸送体は膜タンパク質で、神経伝達物質のドーパミンをシナプス間隙から取り除いて周囲の細胞の細胞質に運び入れ、それによって神経伝達物質によるシグナル伝達を終結させる。E Gouauxたちはショウジョウバエ(Drosophila)のドーパミン輸送体について、コカイン、D-アンフェタミン、メタンフェタミン、ドーパミンおよび2種類の抗うつ薬という多様な低分子物質が結合した状態のX線結晶構造を解いた。今回得られた構造は、神経伝達物質やコカインが生体アミン輸送体に結合する仕組みについての手掛かりを初めて示しただけでなく、タンパク質のリガンド結合部位が形を変え、形状もサイズも異なる構造的に無関係な低分子に結合してそれを受け入れる仕組みを示す良い例といえる。

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