Nature ハイライト
材料科学:非ジュール磁気ひずみが観測された
Nature 521, 7552
一般的な強磁性体は、磁場中に置かれると異方的に伸縮する。これは、磁気ひずみ(磁歪)として知られる現象で、ジェームス・ジュールによって初めて発見された。この効果は、磁区が回転して磁性体サンプルの寸法が変化した結果だが、サンプル全体の体積は保存される。今回、H ChopraとM Wuttigは、Fe–Ga合金において、体積が保存されない非ジュール磁気ひずみという、これまでどの磁性体でも観測されたことがない新しい効果を観測した。著者たちは、この効果の原因が新しい構造ユニット(セル)が独立して回転するため体積変化が生じることだと考えている。また、通常とは異なるヒステリシスのない等方的磁化曲線が単結晶内の全方向で観測されたが、これもセル構造に起因すると考えられる。
2015年5月21日号の Nature ハイライト
幹細胞:新たな幹細胞状態
神経科学:ドーパミン輸送体の構造
天文学:3つのIa型超新星は白色矮星同士の合体によるものか?
量子力学:エンタングルした重ね合わせ状態の生成
材料科学:非ジュール磁気ひずみが観測された
進化遺伝学:転写のノイズが自然選択の対象になる
幹細胞:iPS細胞の潜在能力の有無を示す細胞マーカー
がん:過剰なBCRシグナル伝達の抗がん作用
エボラウイルス:現在のエボラ流行株に対する治療
分子生物学:昆虫および脊椎動物での段階的スプライシング