Nature ハイライト
エボラウイルス:現在のエボラ流行株に対する治療
Nature 521, 7552
エボラウイルス(EBOV)を標的とする複数のsiRNAの脂質ナノ粒子への封入体(TKMエボラ)の投与により、非ヒト霊長類を致死量のEBOVへの曝露から防御できることが以前に示されている。また、この治療法は、現在のエボラ出血熱の大流行においてコンパッショネート使用として多数のヒト患者に用いられてきた。今回、T Geisbertたちは、EBOVの現在の流行株に合わせたTKMエボラカクテルを迅速に作製し、非ヒト霊長類では現在の西アフリカEBOV分離株に曝露した3日後にそのTKMエボラカクテルを投与しても完全な防御効果が見られることを示した。ウイルスの塩基配列データが利用可能になれば、新しいウイルスに適合させた新しい薬剤を最短8週間で作り出すことができる。
2015年5月21日号の Nature ハイライト
幹細胞:新たな幹細胞状態
神経科学:ドーパミン輸送体の構造
天文学:3つのIa型超新星は白色矮星同士の合体によるものか?
量子力学:エンタングルした重ね合わせ状態の生成
材料科学:非ジュール磁気ひずみが観測された
進化遺伝学:転写のノイズが自然選択の対象になる
幹細胞:iPS細胞の潜在能力の有無を示す細胞マーカー
がん:過剰なBCRシグナル伝達の抗がん作用
エボラウイルス:現在のエボラ流行株に対する治療
分子生物学:昆虫および脊椎動物での段階的スプライシング