Nature ハイライト

がん:乳がんでのステロイド受容体のクロストーク

Nature 523, 7560

プロゲステロンとその受容体(PR)、およびエストロゲンとその受容体(ERαおよびERβ)は、乳腺の正常な発生や恒常性に重要なだけでなく、乳がんでも重要な役割を果たす。乳がんでは、これらの受容体の存在が、ERアンタゴニストに応答するかどうかの予後マーカーとして用いられている。これらの受容体機能の間にどんな関係性があるかはこれまで全く分かっていなかったが、今回J Carollたちが、この謎を解く重要な手掛かりを見つけた。PRがERαの機能を制御することを見いだしたのである。PRは、ERαが結合するクロマチン部位を変更することで、ERα+乳腺腫瘍の増殖ブレーキとして働く。そのため、PRをコードするPGR遺伝子の消失は乳がん患者の予後不良と関連する。

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