Nature ハイライト

Cover Story:金を一振り:金ナノ結晶のドーピングで半導体ナノ結晶超格子の電子特性を調節する

Nature 524, 7566

表紙は、金ナノ結晶によるドーピングを行ったナノ結晶超格子である。この方法では、半導体超格子の秩序立った配列は乱されない。ドーピングは、半導体、希薄磁性材料や蛍光体で広く用いられている手法で、ホスト材料に外部から原子を添加することで、電子特性や磁気特性、光学特性の改良や新規導入を行う過程である。今回C Murrayたちは、原子の代わりに人工原子(均一なナノ結晶)が使われるナノ結晶超格子に置換ドーピングの概念を取り入れた。半導体(CdSeまたはPbSe)ナノ結晶超格子中に金ナノ結晶がランダムに取り込まれることが示され、超格子中のナノ結晶は、同じサイズならば組成の異なるナノ結晶で置換できることが実証された。こうした手法によって作られた材料の導電率は、ドーパントの密度と分布に左右される金属パーコレーション経路によって調整される。今回の新手法は自己集合を利用しているため、多様な材料や混合物に広く応用できると考えられる。

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