Nature ハイライト
神経科学:網膜の運動検出器の解明
Nature 524, 7566
哺乳類の網膜にはアマクリン細胞と呼ばれるさまざまな種類の介在ニューロンが含まれ、多種類の網膜神経節細胞(RGC)と特異的な結合を形成しているが、この結合の特異性がどのようにして生じるかは、ほとんど分かっていない。J Sanesたちは今回、マウスのW3B-RGC(動いている背景の中での対象の動きを検出する細胞)が、小胞型グルタミン酸輸送体3を発現するアマクリン細胞から特異的な興奮性入力を受けていることを示した。この選択的結合は、シナプス前・後の両細胞に発現する認識分子sidekick 2のホモフィリックな相互作用によってもたらされる。この結合の阻害は、W3B-RGCの視対象運動検出に影響を及ぼす。従来の研究と合わせて、今回の知見は、網膜の内網状層でのシナプス特異性についての多段階モデルを支持する。
2015年8月27日号の Nature ハイライト
進化学:真核生物が有する原核生物遺伝子の起源
構造生物学:明らかになったフリッパーゼの機構
プラズマ物理学:航跡場プラズマによって加速される陽電子
フォトニクス:銅によってさらに実用化に近づいた原子レーザー
化学:複数の触媒で炭素–炭素結合を形成する
発生生物学:無脊椎動物に見られる頭部様の前駆構造
神経科学:網膜の運動検出器の解明
発生生物学:Mycによる細胞競合
細胞生物学:タンパク質輸送に関連したミトコンドリア機能障害