Nature ハイライト
プラズマ物理学:航跡場プラズマによって加速される陽電子
Nature 524, 7566
従来型の高周波粒子加速器の開発は、大きさと費用の点で限界に近づいている。プラズマ航跡場加速器はそれに代わる有望な加速器である。この装置では、電子バンチが、別の電子バンチが生成する航跡中のプラズマ波上をあたかも「サーフィン」するように加速される。プラズマ航跡場はこれまで、電子の加速で有望な結果が得られているが、電子–陽電子衝突型加速器を作るには、加速した陽電子も必要になる。今回S Cordeたちは、陽電子の新しい加速方式を実証しており、この方式では陽電子バンチの前側にある粒子がそのエネルギーを後側へと移動させる。陽電子は、1.3 mの距離にわたるこの過程で、エネルギー広がりが狭い5 GeVのエネルギーを獲得する。これは、加速電場が高周波粒子加速器より2桁強いことを示唆している。
2015年8月27日号の Nature ハイライト
進化学:真核生物が有する原核生物遺伝子の起源
構造生物学:明らかになったフリッパーゼの機構
プラズマ物理学:航跡場プラズマによって加速される陽電子
フォトニクス:銅によってさらに実用化に近づいた原子レーザー
化学:複数の触媒で炭素–炭素結合を形成する
発生生物学:無脊椎動物に見られる頭部様の前駆構造
神経科学:網膜の運動検出器の解明
発生生物学:Mycによる細胞競合
細胞生物学:タンパク質輸送に関連したミトコンドリア機能障害