Nature ハイライト
神経科学:シナプトタグミン–SNARE複合体の構造
Nature 525, 7567
膜貫通タンパク質であるシナプトタグミン1と、ニューロンのSNAREタンパク質は、神経伝達物質放出を担う重要な因子だが、これらがカルシウムシグナルへの応答でどのように協働してシナプス小胞の融合を引き起こすのかはよく分かっていない。今回A Brungerたちは、Ca2+あるいはMg2+に結合したシナプトタグミン1–SNARE複合体の結晶構造を初めて報告し、Ca2+が引き起こす神経伝達物質放出が、Ca2+非依存的な1つの広い接触面に依存することを示している。また、この研究ではX線自由電子レーザーによる回折データを収集する新たな技術を導入し、それによって、タンパク質複合体の少数の結晶から、ほぼ原子レベルの分解能で構造を明らかにできた。
2015年9月3日号の Nature ハイライト
神経科学:神経変性の新しい機構
神経科学:シナプトタグミン–SNARE複合体の構造
構造生物学:ホスホン酸塩の細菌による分解
超伝導:超伝導のさらなる展望
DNAナノ構造:DNA折り紙をもっとコントロール
気候科学:水は用途によって違う
生物地理学:植物種の移出入
心疾患:僧帽弁異常の遺伝的原因
がん:変異型PIK3CAが乳腺細胞の運命に与える影響
細胞生物学:食餌はミトコンドリアの健康状態に影響する
免疫学:方向性特異的なDNA連結