Nature ハイライト
細胞生物学:食餌はミトコンドリアの健康状態に影響する
Nature 525, 7567
ミトコンドリアの機能調節についての研究で、A Telemanたちは、脂肪酸であるステアリン酸(C18:0)とタンパク質であるトランスフェリン受容体1(TFR1)が共にミトコンドリアの調節因子であることを突き止めた。C18:0は、TFR1をステアロイル化することでJNKシグナル伝達のTFR1による活性化を抑制し、ミトコンドリアの融合と機能を促進する。C18:0は食餌成分であり、興味深いことに動物細胞はC18:0レベルの上昇にも下降にも応答する。ショウジョウバエ(Drosophila)で食餌によってC18:0を補充すると、ミトコンドリア融合が亢進され、疾患モデルでパーキンソン病の原因遺伝子PinkやParkinの欠失などの遺伝子異常によって引き起こされたミトコンドリア機能障害が緩和された。
2015年9月3日号の Nature ハイライト
神経科学:神経変性の新しい機構
神経科学:シナプトタグミン–SNARE複合体の構造
構造生物学:ホスホン酸塩の細菌による分解
超伝導:超伝導のさらなる展望
DNAナノ構造:DNA折り紙をもっとコントロール
気候科学:水は用途によって違う
生物地理学:植物種の移出入
心疾患:僧帽弁異常の遺伝的原因
がん:変異型PIK3CAが乳腺細胞の運命に与える影響
細胞生物学:食餌はミトコンドリアの健康状態に影響する
免疫学:方向性特異的なDNA連結