Nature ハイライト
気候科学:水は用途によって違う
Nature 525, 7567
土壌水は、地下水や河川流のみならず植物の蒸散にも水を供給し、あらゆる目的に同等に利用できると一般に考えられている。今回J Evaristoたちは、過去の限られた研究に基づいて、世界各地のさまざまな観測点から得られた水素と酸素の同位体データを集めてデータセットを作り、生態水文学的な分離が常態であることを示している。植物が利用する水は、河川流の水と同位体的に異なる傾向があり、降水入力の水文学的な分離によって、異なる複数の水資源のプールが形成されることが示された。今回の知見から、既存の地表面モデルにおける植物の生理学過程と河川流のパラメーター化は、生態水文学的な分離を組み込むことによって、より現実的なものになる可能性が示唆される。
2015年9月3日号の Nature ハイライト
神経科学:神経変性の新しい機構
神経科学:シナプトタグミン–SNARE複合体の構造
構造生物学:ホスホン酸塩の細菌による分解
超伝導:超伝導のさらなる展望
DNAナノ構造:DNA折り紙をもっとコントロール
気候科学:水は用途によって違う
生物地理学:植物種の移出入
心疾患:僧帽弁異常の遺伝的原因
がん:変異型PIK3CAが乳腺細胞の運命に与える影響
細胞生物学:食餌はミトコンドリアの健康状態に影響する
免疫学:方向性特異的なDNA連結