Nature ハイライト
免疫学:方向性特異的なDNA連結
Nature 525, 7567
抗体生成の過程では、免疫グロブリン重鎖(IgH)遺伝子座で、他の全てのセグメントを取り除くことによって残った単一のV、D、J遺伝子セグメントを再配列して並置しなければならない。原理的には、このような欠失を作り出す過程では逆位が生じる可能性がある。F Altたちは今回、ハイスループットのゲノム規模塩基配列解読法を用い、この遺伝子座でのこうした過程では逆位ではなく欠失の方が起こりやすいという偏りが見られるのはなぜか、という長年の疑問について調べた。これには、IgH遺伝子座それ自体が含む配列、AIDデアミナーゼによって開始されるDNA二本鎖切断、それに二本鎖切断修復因子53BP1およびATMが関与することが明らかになった。
2015年9月3日号の Nature ハイライト
神経科学:神経変性の新しい機構
神経科学:シナプトタグミン–SNARE複合体の構造
構造生物学:ホスホン酸塩の細菌による分解
超伝導:超伝導のさらなる展望
DNAナノ構造:DNA折り紙をもっとコントロール
気候科学:水は用途によって違う
生物地理学:植物種の移出入
心疾患:僧帽弁異常の遺伝的原因
がん:変異型PIK3CAが乳腺細胞の運命に与える影響
細胞生物学:食餌はミトコンドリアの健康状態に影響する
免疫学:方向性特異的なDNA連結