Nature ハイライト
免疫学:ガスダーミンDの自然免疫における役割
Nature 526, 7575
Gsdmd遺伝子はヒトとマウスで保存されているが、機能はまだ知られていない。この遺伝子の産物であるガスダーミンDが炎症性カスパーゼの基質であることを、2つのグループが明らかにした。F Shaoたちは、ゲノム規模でのCRISPR-Cas9スクリーニングによって、ガスダーミンDが炎症性カスパーゼの基質であることを突き止めた。カスパーゼ-1およびカスパーゼ-4/5/11は、アミノ末端のガスダーミンNドメインとカルボキシ末端のガスダーミンCドメインの間のリンカーを特異的に切断した。一方、V DixitたちはENU変異誘発によるスクリーニングを行って、非古典的なインフラマソーム経路でピロトーシスを仲介するカスパーゼ-11が、ガスダーミンDを基質として必要とすることを明らかにした。ガスダーミンDを欠くマウスは、致死量のリポ多糖に抵抗性を示した。2つのグループは共に、切断されたN末端ドメインだけで、プログラムされたネクローシス細胞死の一形態であるピロトーシスを誘導するのに十分であることを明らかにしている。
2015年10月29日号の Nature ハイライト
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免疫学:ガスダーミンDの自然免疫における役割
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量子物理学:ベル不等式の新しい検証
化学:S-アリール・コンジュゲートの新しい合成法
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古人類学:中国に初期のホモ・サピエンス
がん:高リスク型の神経芽細胞種におけるTERT変異
がん:組織再生におけるYapの役割
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