Nature ハイライト
がん:高リスク型の神経芽細胞種におけるTERT変異
Nature 526, 7575
交感神経系の小児がんである神経芽細胞腫の患者のおよそ半数は、臨床転帰の悪い高リスク型である。著者たちは、そのような高リスク型の神経芽細胞腫39例と低リスク型の17例のゲノム塩基配列を解読し、高リスク型の約4分の1では、テロメラーゼ逆転写酵素遺伝子(TERT)付近に再編成が起こっており、低リスク型では再編成はないことを見いだした。TERT再編成型の神経芽細胞種の細胞株は、そのような再編成のない細胞株に比べて、テロメラーゼ酵素活性が高い。これらの結果から、テロメラーゼタンパク質の阻害剤がさらに開発されれば、神経芽細胞腫の最もアグレッシブなサブグループに対する新たな治療選択肢となる可能性がある。
2015年10月29日号の Nature ハイライト
学習と記憶:記憶検索を標的として制御する
免疫学:ガスダーミンDの自然免疫における役割
宇宙:彗星67Pにある酸素分子
量子物理学:ベル不等式の新しい検証
化学:S-アリール・コンジュゲートの新しい合成法
気候科学:氷床の動きと融解水の関連性
古人類学:中国に初期のホモ・サピエンス
がん:高リスク型の神経芽細胞種におけるTERT変異
がん:組織再生におけるYapの役割
微生物学:競争によって多剤耐性菌を打ち負かす