Nature ハイライト

がん:高リスク型の神経芽細胞種におけるTERT変異

Nature 526, 7575

交感神経系の小児がんである神経芽細胞腫の患者のおよそ半数は、臨床転帰の悪い高リスク型である。著者たちは、そのような高リスク型の神経芽細胞腫39例と低リスク型の17例のゲノム塩基配列を解読し、高リスク型の約4分の1では、テロメラーゼ逆転写酵素遺伝子(TERT)付近に再編成が起こっており、低リスク型では再編成はないことを見いだした。TERT再編成型の神経芽細胞種の細胞株は、そのような再編成のない細胞株に比べて、テロメラーゼ酵素活性が高い。これらの結果から、テロメラーゼタンパク質の阻害剤がさらに開発されれば、神経芽細胞腫の最もアグレッシブなサブグループに対する新たな治療選択肢となる可能性がある。

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