Nature ハイライト
がん:組織再生におけるYapの役割
Nature 526, 7575
発生の際に細胞運命決定や組織増殖に影響を及ぼすHippo経路は、成体における組織再生の重要な調節因子であることが分かってきた。通常の腸上皮の自己複製は、腸幹細胞でのWntシグナル伝達経路により制御されるが、損傷後に腸が再生される仕組みは分かっていない。今回J Wranaたちは、別の経路であるHippoシグナル伝達経路が電離放射線曝露後の腸上皮の回復に必要であることを示した。Hippoシグナル伝達の構成要素Yapは、腸幹細胞のパネート細胞への分化を阻止して、Egfrシグナル伝達という3番目の経路の活性化により生存および自己再生プログラムを促進する。このYapが駆動する再生経路は腫瘍発生にも関与していることが分かった。
2015年10月29日号の Nature ハイライト
学習と記憶:記憶検索を標的として制御する
免疫学:ガスダーミンDの自然免疫における役割
宇宙:彗星67Pにある酸素分子
量子物理学:ベル不等式の新しい検証
化学:S-アリール・コンジュゲートの新しい合成法
気候科学:氷床の動きと融解水の関連性
古人類学:中国に初期のホモ・サピエンス
がん:高リスク型の神経芽細胞種におけるTERT変異
がん:組織再生におけるYapの役割
微生物学:競争によって多剤耐性菌を打ち負かす