Nature ハイライト
量子物理学:手に負えないスペクトルギャップ問題
Nature 528, 7581
量子多体物理では、スペクトルギャップは、系の基底状態と第一励起状態のエネルギーの差である。特定のモデルハミルトニアンが与えられた場合に、その系におけるギャップの有無を決定できるかどうかを確かめることは、物理学の長年の問題であり、スペクトルギャップ問題として知られている。今回T Cubittたちは、このスペクトルギャップ問題が決定不能であることを立証している。スペクトルギャップの存在を決定するのは難しいことはすでに分かっていたが、今回の結果から、多体物理学の中核となる問題のアルゴリズム的な難しさが可能な限り強い形で証明された。
2015年12月10日号の Nature ハイライト
量子物理学:手に負えないスペクトルギャップ問題
細胞内シグナル伝達:カルシウムシグナルを介した食餌刺激
多能性幹細胞:CAF-1は細胞運命の変化を阻止する障壁である
免疫学:Treg細胞の居場所と自己免疫
分子生物学:Pol IIIの高分解能構造
触媒化学:高まるディーゼル燃料生産の将来性
気候変動:将来の降水量に対するモデル計算の答え
固体地球科学:岩石の摩擦はスケールの問題
心理学:子供が「それは不公平だ」と思うようになるとき
微生物学:メトホルミンが腸内マイクロバイオームに与える影響
がん幹細胞:腫瘍の不均質性の急速な進化