Nature ハイライト

量子物理学:手に負えないスペクトルギャップ問題

Nature 528, 7581

量子多体物理では、スペクトルギャップは、系の基底状態と第一励起状態のエネルギーの差である。特定のモデルハミルトニアンが与えられた場合に、その系におけるギャップの有無を決定できるかどうかを確かめることは、物理学の長年の問題であり、スペクトルギャップ問題として知られている。今回T Cubittたちは、このスペクトルギャップ問題が決定不能であることを立証している。スペクトルギャップの存在を決定するのは難しいことはすでに分かっていたが、今回の結果から、多体物理学の中核となる問題のアルゴリズム的な難しさが可能な限り強い形で証明された。

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