Nature ハイライト
免疫学:Treg細胞の居場所と自己免疫
Nature 528, 7581
炎症が起こっていない状態では、制御性T細胞(Treg細胞)はリンパ器官で自己反応性のエフェクターT細胞をインターロイキン2(IL-2)依存的に抑制することによって自己免疫応答を制限している。R Germainたちは今回、組織サイトメトリー(histo-cytometry)と命名された新規な組織画像化技術を用いて、リン酸化されて活性化した転写因子STAT5を発現している抑制性の高いTreg細胞が、自己抗原によって活性化されたまれなIL-2+ T細胞と共に、分離したクラスター中に存在することを明らかにした。自己抗原を提示する樹状細胞は、このようなエフェクターT細胞と制御性T細胞の両方と相互作用することが示された。これらの機序は合同して働いて抑制性分子の発現を増加させ、それによって自己免疫を防止している。
2015年12月10日号の Nature ハイライト
量子物理学:手に負えないスペクトルギャップ問題
細胞内シグナル伝達:カルシウムシグナルを介した食餌刺激
多能性幹細胞:CAF-1は細胞運命の変化を阻止する障壁である
免疫学:Treg細胞の居場所と自己免疫
分子生物学:Pol IIIの高分解能構造
触媒化学:高まるディーゼル燃料生産の将来性
気候変動:将来の降水量に対するモデル計算の答え
固体地球科学:岩石の摩擦はスケールの問題
心理学:子供が「それは不公平だ」と思うようになるとき
微生物学:メトホルミンが腸内マイクロバイオームに与える影響
がん幹細胞:腫瘍の不均質性の急速な進化