Nature ハイライト
分子生物学:Pol IIIの高分解能構造
Nature 528, 7581
RNAポリメラーゼIII(Pol III)は、tRNAやスプライソソームRNAのような、はっきりした構造を持つ低分子ノンコーディングRNAを転写する。Pol IIIは最も大型の真核生物ポリメラーゼだが、詳しい構造の解明が最も遅れている酵素でもある。今回C Müllerたちは、出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)由来Pol IIIの低温電子顕微鏡構造を決定し、完全な17サブユニット複合体の非結合状態と伸長中の状態の両方のコンホメーションについて原子レベルのモデルを構築した。その結果から、Pol IおよびPol II酵素との詳細な比較が可能となり、このポリメラーゼのその特異的標的への適応が説明された。
2015年12月10日号の Nature ハイライト
量子物理学:手に負えないスペクトルギャップ問題
細胞内シグナル伝達:カルシウムシグナルを介した食餌刺激
多能性幹細胞:CAF-1は細胞運命の変化を阻止する障壁である
免疫学:Treg細胞の居場所と自己免疫
分子生物学:Pol IIIの高分解能構造
触媒化学:高まるディーゼル燃料生産の将来性
気候変動:将来の降水量に対するモデル計算の答え
固体地球科学:岩石の摩擦はスケールの問題
心理学:子供が「それは不公平だ」と思うようになるとき
微生物学:メトホルミンが腸内マイクロバイオームに与える影響
がん幹細胞:腫瘍の不均質性の急速な進化